令和二年第2回定例会代表質問

掲載日:2020.08.06

新型コロナウイルス感染症対策について伺います。江戸川区では、新型コロナウイルス感染症対策として60近い政策を打ち出し、取り組んでいます。未使用マスクの募集・配布、区会議のオンラインシステムの導入、新型コロナウイルス感染症収束後の消費活性化策として、区商店街で使えるプレミアム商品券の発行など様々な区民の暮らしを守る政策、区内の事業者を守る政策、医療機関・医療従事者支援などメニューも様々あります。また、品川区では区民1人に3万円〜5万円を支給するとの発表もありました。

 渋谷区としては、他区と比べる独自政策が乏しいのではないかとの声が聞こえてきます。それらの声を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策について順次、区長・教育長のご見解を御聞きします。



 特別定額給付金については、江戸川区では、生活が困窮している方を優先して5月1日からの支給がすでに始まっています。渋谷区では、5月19日から郵送をはじめましたが、全ての区民の方には届いたのでしょうか。区のtwitter、facebookでも郵送を始めましたと告知がされていましたが、2週間たっても手紙が届かない等の声も聞こえています。現在の配布状況、そして、今後の振込スケジュールを御示し下さい。区長の答弁を求めます。



 目黒区では、ひとり親世帯等の児童に1人5万円の上乗せの給付を行うと発表しました。渋谷区は都内でも家賃等が高い地域であり、10万円をもらうだけでは新型コロナウイルス感染症に伴う収入減に対応できないとの声も聞こえますが、ひとり親世帯等への上乗せ支給の考えはありますでしょうか。



 また、路上生活者の方への支給対応はどのようになっているのか御示し下さい。



 さらには、視覚障がい者の方は、自力で書類の内容を確認して提出することはかなり難しい作業となります。区からの書類には点字等をつけて配布をする等の対策が必要かと考えますが、区としてはどのようなアプローチを行っていきますでしょうか。区長の答弁を求めます。

 江戸川区では、さらに、宅配サービスに対応していない飲食店の営業支援策として、区内飲食店宅配サービス支援事業を行なっており、区内タクシー事業者と提携し、お弁当等の宅配の支援をしています。渋谷区ではUber Eats等の事業者と提携をし、区民の方を対象に1回500円程度の配送料等の補助を行いましたが、利用数はどうだったのか、それぞれのサービスごとに御示し下さい。区長の答弁を求めます。



 また、議会への報告では、今後テイクアウトを始めた事業者等の支援のためにサービスを検討中とのことでしたが、その後の展開はどのようになっているか御示し下さい。区長の答弁を求めます。



 現在、庁舎1階の食堂が入っていた場所は、昨年度末に事業者の撤退により、空き店舗となっています。この場所を活用し、区内飲食店のお弁当等を販売するのはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 区内の飲食店、クラブハウス、パチンコ店など、多くの店舗が国の緊急事態宣言に伴う、東京都の自粛要請に従い、休業や短縮営業を行なってきました。そのため、収入が減り、月末の支払い等が厳しいという声が多く聞こえてきています。すでに区内でも飲食店の閉店や、クラブハウスの廃業等が起きています。東京都が行っている感染拡大防止協力金は、5月22日の段階で申込に対しての振込実績が6%という状況で、事業者のみなさんの手元に届くにはまだ時間がかかりそうです。そのような中、港区ではテナント賃料の支援を始めました。ビル所有者が賃料を減額した場合、1カ月15万円を上限に、4月分から6月分まで3カ月間の助成をするものです。議会としても国に要望書を出しておりますが、区としても収入が減った事業者等に家賃補助を行ってはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 区では、中小企業等の資金繰り対策として無利子の融資の斡旋を行っています。融資斡旋額を当初の500万円から2000万円まで拡大し、併せて融資の斡旋に必要な経営相談枠の拡大をし、より早い斡旋に努めて来ました。しかしながら、現在、多くの事業者の方が新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化し、銀行に融資を申し込んでいる中で、融資決定がおり、そこから融資が支払われるまで相当な時間がかかってしまっている状況です。銀行においては4月初旬に融資を申し込んでも支払われるのは5月末、日本政策金融公庫においては4月に申し込んでも支払いが7月になるなど、明日の支払い、今週の支払いをどうしようと困っている事業者にとって不安な日々を過ごさなければなりません。そこで、融資が出るまでのつなぎの資金援助を区として行うのはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 区の緊急融資でも保証料が多くかかります。500万円の融資に対しては15万円ほどかかり、経営が厳しくて支払いが滞り、区の融資制度に頼ってきている事業者にとっては15万円という額はとても大きな負担です。事業者支援として融資の保証料の補填を区で行うのはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 さらに、新型コロナウイルス感染症関連の申請に必要な書類の取得を行う区民に限り、印鑑証明や住民票等の取得手数料を免除するのはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 目黒区は介護・障がい福祉サービスの事業者に特別給付金を交付しています。マスクなど衛生用品の購入費用の一部として、区立を除いて約400ある事業所などに、規模に応じて10万~60万円を交付します。区としても介護・障がい福祉サービスの事業者への支援は欠かせないと考えますが、いかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 また、足立区では、新型コロナウイルス感染症の検査で陽性と判定され、自宅で療養している区民に、食料品や日用品などが入った自宅療養セットの支給を始めました。このような感染者支援を行う予定はありますでしょうか。区長の答弁を求めます。



 港区では、新型コロナウイルス感染症対策として、70歳以上の高齢者の買い物代行を始めました。渋谷区でも社会福祉協議会が同じようなサービスを行っておりますが、社会福祉協議会に登録をしていなければ利用でません。新型コロナウイルス感染症対策として、区独自で行うのはいかがでしょうか。

 さらに、港区では、子を持つ親が感染した場合に、子どもを預かることも始めましたが、区としてはどのような対応を行っているでしょうか。



 杉並区では、障がい者や高齢者を預かる臨時の宿泊施設を設けると発表しました。身内の障がい者や高齢者の介護ができなくなった場合の対策で、身内の心配をせず、安心して治療に専念できるシムテムを整えるとのことです。

渋谷区でとしても、検討するべきかと考えますがいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 新型コロナウイルス感染症の影響で、新生児の沐浴の仕方や、離乳食の作り方などを教えてくれるパパ・ママ入門学級などが中止となっています。現在、区のホームページには参考資料や動画がアップをされていますが、お父さん、お母さんになりたての親にとっては、一方向の動画等ではなく、疑問に思ったことをすぐに聞ける場がとても重要となってきます。そこで全国で活動する助産師さんが、ビデオ通話を使ったオンラインの両親学級を実施しています。費用は無料で参加者同士の意見交換や質問の時間を設け、子育ての不安の解消に努めています。区としても、オンラインでのパパ・ママ入門学級の導入が必要であると考えますがいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 ハチコウ大学では新規の入学募集が中止されています。今年度は、大学からの提供授業を行うのは大学側の事情から難しいとの話も聞きました。しかし、区の独自の講座は開催していく方向で検討しているとのことですので、オンラインでの講座の開催も検討してはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 学生の支援についてお聞きします。新型コロナウイルス感染症の影響でアルバイト先の業績が悪化し、シフトをカットされるなど、収入が激減している学生達が多くいます。国でも学生支援が発表されていますが、渋谷区は、繰り返しになりますが家賃の高い地域であり、国の支援だけでは継続的に区内に住むことが難しいとの声があります。若い人たちの力は、まちの大きな原動力になります。その若い学生たちが学費や家賃が支払えず、渋谷から転居してしまうのは、長期的に考えても区として大きな損失になります。臨時的にでも区で雇用をし、学生たちの生活支援を行うべきであると考えます。さらには学生支援として給付金の支給等を行うできではないかと考えますが、いかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 新型コロナウイルス感染症に伴う、避難所設置の対応についてお聞きします。密閉、密集、密接の「三密」になりやすい避難所での感染症対策はどのようになっていますでしょうか。自治体によっては、既にマニュアル改定を進めているところもあります。また国は先日、防災基本計画を改定し「感染症の観点を取り入れた対策が必要」と明記をしました。千葉県千葉市では感染を防ぐために避難者の間隔を2メートル確保するなどの方針を建て、その結果、避難所での収容人数が減るため、町内会などが管理する集会所を活用するなどの検討をしています。千葉県南房総市では、学校の体育館などの避難所で、体温や味覚嗅覚障害の有無などをチェックする仕組みを設け、体調が悪い避難者は教室に移ってもらう等の措置をとるとのことです。区では、マニュアル改定、対策はどのようになっていますでしょうか。区長の答弁を求めます。



 子どもたちへの影響です。緊急事態宣言が解除され、分散登校ではありますが、学校が再開されたことは子どもたちにも、保護者にとっても大変喜ばしいことではないでしょうか。小中学校とも受験を控えている保護者は、授業がちゃんと終わるのか、入試はどこまでの範囲で行われるのかなど不安は一層大きいものになっています。今後の小中学校の授業の進め方、不安を抱えている子ども、保護者のケア等はどのように行っていくのか御示し下さい。教育長の答弁を求めます。


区長

新型コロナウイルス感染症対策について、特別定額給付金へのお尋ねですが、一括でお答えいたします。

特別定額給付金の郵送申請の手配状況につきましては、先ほど渋谷区議会公明党、松山克幸議員へお答えしたとおり、特別定額給付金の郵送申請用の申請書は、五月一九日から順次発送を開始し、六月一日に全ての世帯へ発送を終えたところです。郵便事情によりますが、各戸への配達は完了しているものと認識しています。

次に、振込スケジュールについて、マイナンバーカードのオンライン申請は五月一五日から、郵送申請は五月二九日から順次振込を進めております。申請いただいてから二週間以内には振込を完了できる予定です。
また、独り親世帯への対応については、昨日、渋谷区議会自由民主党議員団、斉藤貴之議員、シブヤを笑顔にする会、薬丸義人議員にそれぞれ御答弁したとおり、ひとり親世帯への区独自の支援策を議会に報告の上、速やかに実施したいと考えております。

次に、特別定額給付金の路上生活者の方への支給対応についてのお尋ねです。

特別定額給付金は、令和二年四月二七日の基準日に住民基本台帳へ記録されている方が給付対象者とされています。このため、基準日に住民票が作成されていなければ給付の対象となりませんが、基準日以降であっても申請期限までにいずれかの自治体で住民票が作成されれば、その自治体で給付の対象となります。そのため、生活福祉課の窓口では、緊急援護の機会を捉えて、総務省のチラシを配布しています。また、路上生活者対策事業の巡回相談でも、路上で生活している方へチラシの配布を予定しています。

次に、視覚障がい者の方への対策についてのお尋ねです。

区が把握している視覚障がい者の方々には、点字の封筒で申請書を郵送し、総務省が作成した障がい者の方向けの御案内を同封しています。また、給付金の申請につきましては、日常の生活においてサポートをお願いできる方がいらっしゃらなければ窓口へお越しいただくことになりますが、区の担当者による代筆を行うことを予定しています。

次に、本区で行ったフードデリバリー利用促進事業についてのお尋ねです。

まず、補助の対象となった利用件数については、UberEatsが一万二千四百五十五件、LINEデリマが五三四件となっています。出前館とdデリバリーにつきましては、クーポン等の利用期限が五月三十一日までとなっており、現在、各事業者において集計中です。

テークアウトデリバリー支援の第二弾については、前回の効果を検証し、より中期的な効果を創出できる仕組みを現在検討しており、スピード感を持って関係各所と施策をまとめ、実行していきたいと考えています。
次に、庁舎一階の飲食店についてのお尋ねです。

庁舎一階のフリースペースは、利用者が自由に使える共用スペースです。ここにはもともと最小限の厨房設備を用意しており、所定の選定を経て鹿児島市の事業者が厨房スペースを利用し、開庁以降これまで飲食店を営んでおりましたが、事業者側の都合により閉店いたしました。

一方、このフリースペースでは、ランチタイムには日替わりで福祉団体が手作りのお弁当を販売しており、障がい者の就労支援として今後も継続していきたいと考えています。また、隣接するコンビニエンスストアで購入した商品の飲食等も可能です。

現在使用していない厨房スペースにつきましては、福祉団体の提供するお弁当やコンビニエンスストアの購入品等の持ち込みとのバランスや利用者の利便性等も考慮しながら、様々なアイデアを検討し活用していきたいと思います。

次に、家賃補助についてのお尋ねです。

区ではこれまで、新型コロナウイルス感染症の影響により経営に影響が生じている中小企業等を支援するため、家賃を含め運転資金として広く活用できる融資制度の拡充が重要と考え、上限額の拡充や貸付期間の延長を行うとともに、増加するニーズに迅速に対応していくため、窓口の大幅な増設、郵送対応、金融機関による代行申請などの取組を短期間のうちに行ってきたところです。

議員御提案の区独自の家賃助成については、シブヤを笑顔にする会、薬丸義人議員、渋谷区議会公明党、松山克幸議員のご質問の中でもお答えしましたが、国の支援の内容が示されてきた中で、家賃への支援が第二波、第三波にも及ぶとともに、一般住宅の家賃支援にも波及し、さらには次年度以降の税収減による財政運営などを総合的に考えると、困難さがあると考えています。

区としては、国の支援による効果を注視しつつ、引き続き迅速に融資のニーズに対応しながら広く区内産業を支援していくため、クラウドファンディングなどの活用も含め独自の効果的な支援を実施していきます。
次に、融資制度等について三件のお尋ねですが、順次お答えします。

まず、区独自の貸付けについてです。

区では、三月から新型コロナウイルス感染症の影響により、経営が厳しい店舗や企業を支援するための特別融資を実施していますが、相談の予約が取れず、区のあっせん決定までに時間がかかる状況を解消するため、相談枠の大幅な増加を行うとともに、郵送による申請受付を始めました。

また、議員のご質問にあるように、区のあっせんが決定してから金融機関の融資実行までに時間がかかっていましたが、手続きの効率化と融資の迅速な実行を図るため、五月からは金融機関による代行申請を開始しました。

これは金融機関に融資を申し込むのと同時に、区への融資の申請やセーフティーネット補償の認定申請を同時に伝えるもので、金融機関の窓口でワンストップで手続きが完結するものです。区の融資を取り扱う多くの金融機関にご協力いただいています。

議員御提案の区が直接貸付を行うことは考えていませんが、今後も代行申請の周知やあっせんの迅速な決定を行っていきます。

次に、保証料の補助についてのお尋ねです。

区の制度としては、信用保証料は事業者の負担としていますが、その分の、上限額の増額や貸付期間の延長を行った後でも上限二千万円にかかる利子について、貸付期間の全期間を無利子として支援しています。

議員御提案の保証料の補助については行う考えはありませんが、今後も区の特別融資を申し込まれた事業者に対し、利子の全額、全期間補助という支援を継続していきます。

次に、各種証明書の手数料の免除についてのお尋ねです。

区の特別融資に申し込む場合、個人事業主については住民票と特別区民税納税証明書が必要となります。無料化に伴い、過去に遡及しての無料化手続き等による窓口事務量の増大や申請者の方々に煩雑な手続きを強いることになり、現段階での無料化は見送りとさせていただきたいと思います。

次に、介護、障がい者福祉サービス事業者への支援についてお答えします。

渋谷区議会自由民主党議員団、斉藤貴之議員の御質問でもお答えしたとおり、報酬上の特例制度や各種助成制度の活用について周知を図りながら、国や都の支援策の内容を見極めた上で総合的に検討してまいります。

次に、自宅で療養している区民に対する支援についてのお尋ねです。

陽性者につきましては、原則として医療機関へ入院となりますが、無症状病原体保有者及び軽症患者のうち、一定の条件に当てはまり医師が症状等から必ずしも入院が必要な状態でないと判断した場合については、原則として宿泊施設において宿泊療養することとしており、自宅での療養は例外的な扱いとなっています。

今後の感染状況については、第二波、第三波の可能性も示唆されており、陽性者の急激な増大により、自宅での療養者が一定数発生する状況になった場合には、支援の在り方について検討してまいります。

次に、買物代行等についてお答えいたします。

外出が不安な高齢者のニーズは、買物に限らず多岐にわたります。社会福祉協議会では、高齢者に限らず援助が必要な方々のニーズに応じた家事援助サービスが提供可能であるため、引き続き利用の周知を図るとともに、区独自サービスの要否については、新型コロナウイルス感染症の今後の状況等を見極めた上で判断してまいります。

また、保護者が新型コロナウイルスに罹患して子どもの養育ができなくなった場合は、東京都児童相談センターと連携して、緊急一時保護を行い、子ども自身の感染の有無など状況に応じて対応しますが、現時点ではこのような相談は入っていません。

障がい者や高齢者の御家族が罹患して介護ができなくなった場合は、必要に応じて各種サービス事業所等の関係機関と連携し、罹患した御家族が安心して入院や療養生活が送れるよう、引き続き対応してまいります。

次に、オンラインでのパパ・ママ入門学級についてお答えいたします。

区では、パパ・ママ入門学級について、これから始まる子育てにおいて身近な相談窓口となる保健相談所の保健師等との顔合わせの慎重な場と捉え、区職員による直営で実施しております。

学級は順次再開する予定としており、沐浴を体験することや産後鬱についてパートナーに理解を促すことは、オンラインでは難しいと考えます。

今回の新型コロナウイルス感染症対応では、外出自粛が求められる中で自宅においても学ぶことができるよう、パパ・ママ入門学級や、育児学級の動画や資料をホームページ上に公開しました。

また、今後は赤ちゃんの抱き方や歯磨きの仕方等の動画や資料についても作成を進める予定としており、パパ・ママ入門学級のオンライン化については、今後の研究課題とさせていただきます。

次に、渋谷ハチコウ大学の講座についてのお尋ねです。

シブヤを笑顔にする会、薬丸義人議員の代表質問にお答えしたとおり、感染防止対策を行いながら、七月から講座を再開するとともに、会場形式に加えてオンラインによる講座を準備中です。オンラインの操作が初めての方も得意な方も、この機会を通じてプレシニアとシニア世代の多くの方々に渋谷ハチコウ大学の講座を受講していただきたいと思います。

次に、学生支援についてのお尋ねですが、先ほど渋谷区議会公明党、松山克幸議員にお答えしたとおり、今後、緊急事態宣言が解除された学校も再開していく中で、学生は休講中の遅れを取り戻すためにも、学業に専念しながら、残りの時間でアルバイトを探していくものと考えられ、平日昼間の勤務が前提となる区の直接雇用が、そのような学生の支援策として適切かどうか、慎重に検討していく必要があります。

学校再開の状況も見極めた上で、学生への支援については、規模や方法を含めて総合的に判断をしてまいります。

次に、新型コロナウイルス感染症対策について、避難所マニュアルについてのお尋ねですが、先に渋谷区議会自由民主党議員団、斉藤貴之議員、渋谷区議会公明党、松山克幸議員にお答えしたとおりです。



教育長

臨時休校における子どもたちへの影響についてです。

授業に対する不安は、受験を控えている保護者の方々だけでなく、子どもたちにおいても大きいものと考えます。

教育委員会では、その不安解消の対応として、学習動画などを効果的に組み合わせて、授業の充実を図るよう指導しました。特に受験を控えている子どもたち、保護者の入試や進路への説明、相談については、進路説明会や三者面談等をより丁寧に行うよう指導してまいります。

そして、進路に関する情報については、進学先とも連携を図りながら、確実に迅速に児童・生徒、保護者に伝わるよう努めてまいります。


スマートシティについて

 日本では、急速な高齢化、多発する都市型災害など多くの課題に直面しており、渋谷区も例外ではありません。それらを解決するために、スマートシティの取り組みが注目されています。区では、新たにスマトートシティ推進担当課長が着任されました。スマートシティとは、IoTの先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、人々の生活の質を高め、都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに継続的な経済発展を目的とした新しい都市のことをいいます。

 国土交通省は、令和元年5月に全国の牽引役となる「先行モデルプロジェクト」15事業等を選定し、各事業におけるスマートシティの実現に向けた具体的な計画となる実行計画の策定に向け、資金、ノウハウの両面から支援を行っています。また、スマートシティ官民連携プラットフォームを作っています。Society 5.0の実現に向け、AI、IoTなどの新技術やデータを活用したスマートシティをまちづくりの基本コンセプトとして位置付け、スマートシティの取り組みを官民連携で加速させるためです。区の今後のスマートシティの取り組みの展望を御示し下さい。区長の答弁を求めます。



区長

始めに、今回の新型コロナウイルス感染症は、これまでの私たちの生活様式や働き方を大きく変える契機となりました。多くの職場においては、人との接触や三密を避けながら、不自由な環境に直面し、これまで同様のコミュニケーションを取り、生産性を維持向上して行くには、オンラインや遠隔操作と言ったICTの革新が欠かせないことが明らかになりました。

まさにウィズコロナ、アフターコロナを見据えた地域社会においては、IoTを前提とした全く新しい社会インフラの構築と、快適で効率的なサービス手続きを可能とする行政のスマート化が不可欠であると言えます。

こうした中、去る令和二年五月二十七日、議員御発言のAIやIoTなどの新技術やデータを活用したスマートシティの取組を加速させる通称スーパーシティ法案、改正国会戦略特区法が成立いたしました。

本区においても、今年度は渋谷区が目指すべきスマートシティの姿を策定するために、スマートシティ先進都市との交流をはじめ、国内外における官民の先進事例の収集、また区が保有する行政情報のオープン化やデータの可視化を進めていきたいと考えております。

その上で、区の抱える各種課題解決に向け、産官学民での連携を図りながら、先進的なICTの活用により、地域や区民生活における快適性や利便性を含めた新たな価値創出を目指し、行政サービスの効率化、高度化を目指してまいります。


ふるさと納税

 今年度から渋谷区でもふるさと納税制度の活用が始まります。渋谷区は、日本全国から多くの方が観光に訪れる都市です。来街者の方がその場でふるさと納税を申請でき、返礼品によってはその場で受け取ることが出来るふるさと納税自動販売機がNTT東日本などにより開発されています。従来は、パソコンやスマートフォンでふるさと納税のランキングサイト等で人気商品を見比べて申請する人が多く、返礼品は、後日自宅に届けられるというものでした。ふるさと納税自動販売機では、申請者が氏名などの情報を入力し、クレジットカードで決済するだけという簡単なものです。このふるさと納税自動販売機をハチ公前や原宿など来街者の多い場所に設置し、渋谷の魅力に触れた方にその場でふるさと納税を申請できる仕組みを導入するのはいかがでしょうか。現段階でのふるさと納税の進捗状況とともに御示し下さい。区長の答弁を求めます。



区長

始めに、進捗状況ですが、昨日、シブヤを笑顔にする会、薬丸義人議員からの御質問にお答えしましたとおり、先月、事務代行事業者をプロポーザル方式により決定し、現在、返礼品を含めた準備を進めているところです。

議員御提案のふるさと納税自販機につきましては、観光地やイベントなどで使われている事例があり、渋谷区に実際足を運んだ人が気軽に納税できると言う選択肢を提示できる利点があります。

一方、本区のふるさと納税は、コト消費に重点を置いていますが、物による返礼品を見当していく中で、配置や保守に係るコスト面も含め、今後の研究課題とさせていただきます。


紙おむつの備蓄について

 昨年度、備蓄されていた大人用の紙おむつが、使用推奨期間が過ぎていたため廃棄をし、新しいものに入れ替えたとの話を聞きました。紙おむつにはメーカーが定めている使用推奨期間が決まっており、おおよそ3年〜5年ほどです。子ども用の紙おむつを取り扱う大王製紙によると、使用推奨期間を過ぎると「湿気を吸い込む恐れがあり、カビが発生したり、吸収力が下がったりする懸念がある」とのことです。品川区や大田区では、災害対策のために備蓄している子ども用の紙おむつなどの備品について、使用推奨期間が過ぎる前に再利用や有効活用をする方針を打ち出しています。区としてでも使用期限が過ぎる前にあらかじめ利用先を探し、配布をしていくのはいかがでしょうか。

 令和元年第2回定例会にて備蓄品についてお尋ねしたところ、区長は避難所の備蓄品については、「賞味期限を管理しており、計画的に入れかえを行っています。賞味期限が近づいた備蓄品については、地域の防災訓練、防災フェスで配布したり、保育園には賞味期限内に使用することを条件に提供するなど、できるだけ廃棄することがないように工夫しています。」と、答弁されていますが、この1年間で廃棄してしまった備蓄品はどれくらいあるのか、併せて御示し下さい。区長の答弁を求めます。


区長

本区では、災害時用として、大人用と乳幼児用の紙おむつを備蓄しており、これまでにそれぞれ一度入替えを行っておりますが、その際は使用推奨期限を通過していたため廃棄処分としましたが、今後については期限を通過する前に入れ替え、高齢者施設や保育園などに提供し、有効活用を図ってまいります。

また、この一年で廃棄した他の備蓄品では乾電池があります。長期間の保存により再利用が困難だったものですが、今後は全ての物品について紙おむつと同様、使用期限前の再利用に努めてまいります。

(1)養育費の不払いに対する自治体の支援について

 厚生労働省の平成28年度の調査によると、母子家庭で養育費を受けていると回答した人は全国で24.3%でした。養育費は親の義務であり、社会全体で逃げ得は許さないという認識を広めていかなければなりません。東京都は、元配偶者から養育費の受け取りを支援する制度を導入しました。ひとり親世帯が民間保証会社と契約し、相手からの養育費の支払いが滞った場合、保証会社が養育費を立て替えた上で、相手側に債権回収をする民間の仕組みを活用します。区市町村に保証会社と連携するよう促し、自治体を通じて、都は契約したひとり親世帯が保証会社に支払う保証料の半額を補助します。

 さらに、兵庫県明石市では、理由なく不払いを続ける人で、より悪質なケースには、反則金にあたる行政罰の過料を科す方針を決めました。

 港区では、親の離婚によって子どもの生活が不安定にならないよう、離婚前後の弁護士への相談費用や、裁判ではなく第三者が関与して話し合いで解決する「裁判外紛争解決手続き(ADR)」を利用する際の費用の一部の助成を始めました。離婚に際し夫婦が取り決めをする子どもの親権や養育費、面会についてなど、弁護士や都内4カ所ある民間の裁判外紛争解決手続き(ADR)を利用する際に費用の一部を補助します。東京都の制度の活用、また、区独自としての港区のような制度の導入、実態調査を行うべきかと考えますがいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。


区長

女性相談窓口や生活支援相談窓口では、離婚や養育費に関する困り事の相談をお受けしています。相談を通じて専門的な相談支援窓口へのつなぎや法律相談の紹介など、制度の活用の周知とともに、独り親世帯の自立に向けた支援も行っています。

養育費の不払いは、離婚後の独り親世帯の生活困窮の一因であり、重要な課題と考えています。今後、都の支援事業の実施状況を注視しながら、本区においても支援方法について検討してまいります。


(2)ヤングケアラー支援について

 埼玉県は、ケアラー条例を制定し、その中で、ヤングケアラーの支援の推進していくことを決めました。ヤングケアラーとは、厚生労働省にて「年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って本来、大人が担うような家族の介護、年下のきょうだいの世話をすることで自らの育ちや教育に影響を及ぼしている18歳未満の子どもたち」と定義しています。

 ヤングケアラー支援の先進国であるイギリスでは、2014年に「子どもと家族に関する法律」を制定し、自治体にヤングケアラーの実態把握を義務づけ、どのような支援を行えば負担軽減につながるのか自治体がアセスメントを行っています。オーストラリアでは、2010年に法律を制定しており、他の子どもと同等の権利が守られることが明記されており、給付型の奨学金や要介護者の一時預かりなどの支援制度も整備しています。

 日本では、厚生労働省の「要保護児童対策地域協議会におけるヤングケアラー対応について」の通知によると、ヤングケアラーの概念を認識している要保護児童対策協議会は3割弱にとどまっており、当該の子どもの生活実態を把握しているのは半数程度であったようです。その中で、ヤングケアラーの4割以上が、1日平均5時間以上介護や世話を行っており、またヤングケアラーの3割以上が学校にあまり行けておらず休みがちである、といった状況であることがわかりました。特に子どもたちは自分自身がヤングケアラーであると認識していることが少なく、様々な部署で連携をして支援を行っていなければなりません。 区として実態把握をする必要があると考えますがいかがでしょうか。子どもたちや親から申し出がなくとも、どんな支援が必要で、どうしたらヤングケアラーの負担を減らしていけるのか、他の子どもたちと同等の権利が守られるように、自治体として条例等の制定など支援が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 また、子どもたちの置かれている状況に一番早く気づけるのは学校です。学校の現場で働く先生方にヤングケアラーを周知することはとても重要と考えます。区長・教育長の答弁を求めます。


区長

ヤングケアラーとは、年齢や成長の度合いに見合わない負担を負って、本来大人が担うような家族の介護や年下のきょうだいの世話をすることで、学校生活に支障を来している十八歳未満の子どもと言われています。

渋谷区でも、家族の介護で保護者を手伝うため学校を休むことが多い生徒について、学校や子ども家庭支援センター、民生児童委員が連携して適切な介護サービス利用を促すことで、子どもが学校に登校できるようになった事例がありました。

この事例では、渋谷区要保護児童対策地域協議会の調整機関である子ども家庭支援センターが学校から連絡を受けて調査を行い、地域支援の重要な担い手である民生児童委員に協力を求め、さらに地域包括支援センターが家族の悩みに寄り添うことで適切なサービス利用につながったものです。

今後も、学校をはじめとした関係各機関が連携して家族の困り事に対応し、子どもが安心して学校に通う環境を整えてまいります。

条例制定については、今後の検討課題とさせていただきます。



教育長

教員へのヤングケアラーの周知についてのお尋ねです。

教員は、その子どもの家庭状況について、ヤングケアラーだけでなく可能な限り把握し、悩みに寄り添えるよう努めております。しかしながら、把握が難しいケースがあることも事実です。

そこで教育委員会では、今年度から教育センターにスクールソーシャルワーカーを増員配置し、定期的な学校訪問等を通じて、教員をはじめとする関係者との情報共有化を図るなど、学校との連携を強化していきます。

こうした取組により、子どもたちの変化を早期に発見し、関係機関との緊密な連携の下、迅速な支援につなげてまいりたいと思います。

(1)不育症支援について

 厚生労働省は、流産や死産を2回以上繰り返して子どもが持てないケースを「不育症」と定義し、新たな患者が毎年約3万人出ると推計しています。原因は、染色体異常や、子宮の形態異常、甲状腺機能異常などのほか、偶発的か未知の異常による流産も半分以上を占めます。治療は、原因に合わせて投薬や手術などが行われ、適切な検査と治療を受ければ、8割が出産を望めるといいます。この治療で問題となるのが、不育症は先ほどもの述べたように、様々な原因があり、原因がわからない状態での染色体検査や、一部の投薬治療には保険がきかないため、医療費負担が数10万円になってしまうこともあります。また、不育症は治療だけでなく検査だけでも高額な費用がかかります。東京都が不育症の支援を始めましたが、他自治体が導入している助成制度と比べても少額で回数も少ない現状があります。区として独自に上乗せをして助成を行うできではないかと考えますが、いかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



健康推進部長

東京都では、令和二年一月から、不育症に悩む夫婦が早期に検査を受け、リスク因子を特定することで、適切な治療及び出産につながるよう、不育症検査に係る費用について、五万円を上限として、夫婦一組につき一回限りとする助成の申請受付を実施しております。開始されたばかりの事業であり、推移を見守ってまいります。

次に、不育症の潜在需要をつかむための実態調査についてのお尋ねです。

令和元年第四回定例会において、シブヤを笑顔にする会、橋本侑樹議員の不妊症治療の潜在需要をつかむための実態調査に関する御質問にお答えしましたとおり、対象者の絞り込みや本人の意向を把握することが困難であると考えております。

妊婦全数面接や母親と保健師等が落ち着いて話ができる乳児全戸訪問等におきまして、不育症治療の経験者から御苦労されたことの実態について伺ってまいります。



(2)不妊治療休暇について

 次に、不妊治療に伴う休暇制度について御聞きします。先日、2025年までの少子化対策の指針となる「少子化社会対策大綱」が閣議決定されました。その中にも不妊治療に対する保険適用の拡大を検討するとも明記されています。さらに、不妊治療に対しての支援制度を2021年度に拡充する方針も決めました。助成額の増額や所得制限の緩和を検討するとのことです。宮城県仙台市では、市職員が不妊治療を受けるための休暇を取れる制度を新設しました。男女とも最長6ヶ月間取得可能で、鳥取県鳥取市や熊本県熊本市でも導入されるなど、全国的に広がりを見せてきています。不妊治療は、治療の性質上、急遽明日休まなければならないとの日程が決めづらい点があり、治療のペースに合わせて分割して休暇を取得できるほか、時間単位で取得し時短勤務のような形で働くこともできるものです。厚生労働省の調査では、働く男女を対象にした調査の結果では、不妊治療経験者は13%、うち仕事と両立できず離職した人は16%に上ります。また、女性の問題と思われがちで、男性は治療を受けづらい状況にあるとも言われています。

 長野県では、不妊治療を希望する県職員が最長1年間の休暇を取得できる制度を創設しました。現在の制度では、治療を行う場合には有給休暇を利用するしかなく、休暇中に治療が終わらずに断念してしまう現状があったようです。長野県は民間企業にも同様の制度の導入を働きかけています。

 区としても不妊治療に対する支援制度を導入をし、不妊治療を行いたい職員、また民間での不妊治療休暇を取れる環境作りが必要であり、子どもを産みたいと思う親に寄り添っていくことはとても大切だと考えますがいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 併せて、区内の不妊治療のニーズの調査を行うと以前他会派の議員への答弁がありましたが、さらに、不育症の潜在的なニーズの調査を行うべきとか考えますが、いかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



区長

まず私からは、不妊治療に対する支援制度を導入し、不妊治療を行いたい職員や民間での不妊治療休暇を取れる環境づくりについての御質問にお答えします。

子どもを産みたいと願う親に寄り添う気持ちは同じですが、一方で、不妊治療休暇を取得するためには、症状を職場に伝えなければならず、自己開示に男女とも抵抗があると言われています。

不妊治療を宣言すれば、周囲がそのサポートをする、そのような意識が醸成された成熟社会を実現するのが理想ですが、残念ながら現時点では、症状を周囲に知られたくない方の気持ちも考えていかなければなりません。

本区では、現在でも時間単位で取得できる有給休暇や在宅勤務等のテレワーク、時差通勤の制度があり、これらを活用することである程度の通院時間を確保することは可能となっています。

不妊治療に限らず、病気や障害、介護や育児など様々な事情を抱える人でも働き続けることができる職場環境の実現のため、本区のワークスタイル改革をさらに推進し、これを社会に広めていきたいと考えています。


妊娠・出産に対する支援について

 現在渋谷区では、妊婦健診における受診票単価は合計で8万8460円となっています。民間の調査によると、妊婦健診の助成制度を活用後の自己負担額は、平均5万8000円になるとのことです。そのため、独自で補助券などを配布している自治体もあります。厚生労働省の調べによると妊婦健診の受診票単価の全国平均は10万2097円です。大阪府東大阪市では、妊婦健診補助券2000円を10枚、2万円分配布していて、妊婦健診で自己負担が発生する場合に使用できます。また、受診券も前期・中期・後期・基本健診で分かれており、補助券と合わせて合計12万円分となるなど、渋谷区とは大きな差額があります。区として独自に補助券制度をつくり、出産を支援すべきかと考えますが、いかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 次に、多胎妊娠(たたいにんしん)についてですが、多胎妊娠は、一般的に妊娠初期や後期の妊婦健診の受診回数が多くなる傾向があることから、前述した大阪府東大阪市では多胎妊娠に対し検査用受診券を2枚追加して交付しています。また、東京都で「とうきょうママパパ応援事業」が始まりました。その中に、多胎児家庭支援事業があります。3歳未満の多胎児がいる世帯または多胎妊婦が対象で、移動経費として年間2万4000円が補助され、補助率は東京都が10分の10です。多胎児育児中に辛いと感じた場面で一番多いのが、外出・移動が困難であると、民間団体による「多胎児家庭の育児の困りごとに関するアンケート調査」の結果があります。バスに乗車拒否をされた経験を持つ方、タクシーでは双子ベビーカーを乗せられない車両には乗れないため、乗せられる車両を迎車しなければいけない等、移動だけでも様々な悩みを抱えておられます。このような多胎児家庭を支援するためにもこの制度の早急な活用、また、多胎妊娠の方への受診券の追加を行うべきかと考えますが、いかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



健康推進部長

都内の妊婦健診受診票につきましては、妊婦の方が住所地にかかわらず都内の契約医療機関で御利用できるよう、都、特別区、市町村及び東京都医師会で構成する東京都地域保健事業連絡協議会にて協議、決定をしております。そのため、渋谷区独自で補助券制度を設けることは困難であり、その考えはありません。

次に、多胎妊娠への支援についてお答えいたします。

多胎児家庭支援事業の移動経費補助につきましては、乳幼児健診や予防接種などの際に必要なタクシー料金を助成するものであり、多胎児の0歳児、一歳児及び二歳児において、保健師等の専門職が面接や訪問等を行うことが要件となります。多胎児支援として、現在、恵比寿保健相談所で実施しております「ふたご育児の集い」の他の地域への拡充を検討しており、その中で当事者の方に移動支援についての御意見を伺ってまいります。

多胎妊娠の方への受診券については、区内医療機関の助産師等にヒアリングを行ったところ、おおむね十四回の健診票の利用にて問題がないとのことであり、追加する考えはありません。


自転車問題

 東京都では、毎年、都内の駅周辺における自転車、原動機付自転車及び自動二輪車の放置状況等を公表しています。2019年度の調査で、都内の駅周辺に放置された自転車が最も多かった駅は恵比寿駅でした。さらに、3位代官山駅、5位幡ヶ谷駅という結果になっており、その他の区内の駅を見ても軒並み放置自転車が多い状況になっています。区は恵比寿駅周辺等を即日撤去の対象になる「放置禁止区域」に指定しています。現在、1000台以上ある公営駐輪場も需要に追いついておらず、商業施設に立ち寄るための一時的な路上駐輪が後を絶たない現状にあるとのことです。さらに、コミュニティサイクルを一時的に停めおく等の放置も目立ちます。コミュニティサイクルの場合は、即時撤去エリアでも撤去は行っておらず、放置を確認したら業者から区に連絡が入り、区から事業者に連絡が行き、事業者から利用者に連絡が行くという手間のかかる方法での警告を行っている現状があります。

 区では、今年4月に「渋谷区自転車活用推進計画」を策定し、「各種関連計画を有機的に、また、戦略的に展開することで、区民一人ひとりの適正な自転車利用と、今後のまちづくりや都市開発と連携した自転車利用環境の整備推進を図ります。」としています。これらを踏まえ、この現状をどのように改善していくのか、御示し下さい。区長の答弁を求めます。



 世田谷区は10月から、13歳未満の子どもが自転車に乗るときにヘルメットの着用を義務化するとしました。子どもの安全を守るためにも区でも導入するべきかと考えますがいかがでしょうか。



 また、東京都が4月1日から自転車保険の加入を義務化しました。この告知は区報でもされていましたが、どれくらいの区民の方が加入されたかを把握する仕組み等は用意されていますでしょうか。



 また、TSマークの取得に補助金を出している自治体があります。TSマークとは自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもで、傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金が付いている付帯保険となっています。このマークの「TS」は、Traffic Safety、交通安全の頭文字をとったものです。TSマーク取得費用助成は、葛飾区・台東区・板橋区・文京区・中野区・中央区などで行っています。この助成を区としても行い、区民の方の自転車保険の加入を促進すべきかと考えますがいかがでしょうか。それぞれ区長の答弁を求めます。



区長

二〇一九年に東京都が実施した駅前放置自転車の調査結果では、恵比寿駅が放置自転車の最も多い駅という残念な結果となりました。区としては、これまで道路等を活用した自転車等駐車場の設置や放置自転車禁止区域の設定、警告や即日撤去の実施など放置自転車の縮減に取り組んできました。

また、コミュニティサイクル事業についても、電車やバス路線網を補完する交通機関の一つとして捉え、利便性の向上を図るため、区内四十八か所にポートを設置し、多くの方に利用されるよう取り組んでいます。
しかしながら、駅前の放置自転車や御指摘のコミュニティサイクルの状況については、かねてから自転車利用を取り巻く環境の改善に向けた課題であると認識しています。

そのため、今年四月に公表した渋谷区自転車活用推進計画において、適正な駐輪環境の創出を重点プロジェクトに位置づけ、駐車場配置計画の策定や民間開発と連携した駐輪場整備など取組の方向性を示したところです。

今後、この計画に基づき、地域特性を踏まえた放置自転車対策など、ハード、ソフトの両面から自転車利用環境の整備に向けた具体的な方策を検討していきます。

次に、自転車保険についてのお尋ねです。

自転車保険に関する質問に一括してお答えします。

自転車運転中の賠償責任を補償する、いわゆる自転車保険の加入について、東京都が四月一日から義務化したことを受け、区においては区ニュースや都が作成した普及啓発用パンフレットによる周知を行っています。

この自転車保険は、火災保険や傷害保険など様々な保険に含まれていることから、区民の自転車保険への加入状況について把握することは困難となっています。

一方で、区民の自転車利用の安全・安心を確保するためには、自転車保険への加入を促進することが重要なことだと認識しています。

このため、保険加入の必要性や自転車保険が含まれる様々な保険の紹介を継続するとともに、より一層の普及啓発に向け、議員御提案のTSマーク取得に対する補助も含め、効果的な方策を検討していきます。


環境問題について

 関東から沖縄の12都府県にある73の河川や港などを調査した結果、ほぼ全てで微少なマイクロプラスチックの汚染が確認されたとの結果が出ました。またその中で、人工芝の破片は今回確認されたマイクロプラスチック全体量の14%を占めていました。東京湾や千葉県の水路では、水1㎥(りっぽうめーとる)あたり100個以上と、大量にマイクロプラスチックがたまっている場所もあったようです。区長も公約で掲げており、「渋谷区環境基本計画2018」の中にもある、天然芝生化の現在の状況はどのようになっていますでしょうか。区長の答弁を求めます。



 また、人工芝でも芝生が切れにくく、海に流れ出しにくいものが開発され、さらには石油由来でなく、さとうきびから作られるなど環境に優しいものがあります。管理面などで天然芝への入れ替えが難しい場合には、環境に優しい人工芝への入れ替えを検討すべきかと考えますがいかがでしょうか。さらには、現在、区内の人工芝を納入している事業者からは、人工芝が排水溝に流れ出すのを防ぐ流出抑制の機器が開発されています。こちらは早急に導入すべきかと考えますが、いかがでしょうか。



 さらに、海洋プラスチックなど環境問題への意識が高まる中、ペットボトル商品の販売をやめ、缶の商品に切り替える動きが広がっています。プラスチックごみの大量排出国の日本には世界から厳しい目が向けられており、国際連合環境計画によると、日本の国民1人当たりのプラスチック容器ごみの排出量は年間約32kgとアメリカに次いで世界2位であり、削減に向けた実効性のある取り組みが迫られています。 京都府舞鶴市は、市主催の会議で、出席者にペットボトルの飲料提供をやめました。神奈川県鎌倉市では、庁舎内に設置している自動販売機からペットボトルの販売をやめ、缶・紙パックのみにしています。 区でも、一番身近な庁舎内から自動販売機のペットボトル販売をやめ、プラスチックの削減に取り組むのはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



 地球温暖化対策に向けて、東京都は、プラスチックごみを燃やさず再利用する自治体の取り組みの支援を始めました。自治体ごとで取り組みにばらつきがあるプラスチック製容器について、分別収集の徹底を促すためです。都内では自治体ごとに分別処理量に大きな違いが出ているため、完全分別をしていない自治体を対象に、分別に向けて新たに必要となる収集ルートの選定や、中間処理施設の確保に向けた調査費が補助されます。先行して取り組む自治体についても、収集効率を上げる取り組みが支援されます。さらに完全分別に切り替える自治体には、分別収集の実費補助を行うとのことですが、区としてはどのように取り組んでいくのか御示し下さい。区長の答弁を求めます。



 東京都は、都庁第一本庁舎で使う電気を、100%再生可能エネルギーにすると発表しました。また、世田谷区で2019年4月から、本庁舎の電気を水力とバイオマスの100%再生可能エネルギーでまかなうとしています。 区では、新庁舎になり太陽光発電を行っていますが、区役所での総使用電気量の3%に留まっています。再生可能エネルギーの利用を促進していくべきかと考えますが、いかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



区長

今の私たちの生活には欠かせないプラスチック製品は、その多くは使い捨てられ、不法投棄など適正に処理されなかったプラスチックごみは漂着ごみ、海洋汚染などを引き起こし、中でも海に流れ出したマイクロプラスチックは回収することはまず困難で、海洋生物が餌として取り込み、体内に蓄積され生態系に大きく影響を与えてしまうことになります。

このように、プラスチックごみ問題は、国内のみならず国際的な喫緊の課題と言えます。本区においても、これまでプラスチックの使用削減、再資源化については重要な課題として位置づけており、引き続き国や都と連携を図り、プラスチック問題の解決に向け取り組んでまいります。

なお、議員から御質問のありましたプラスチックごみ問題に係る個別具体の内容につきましては、環境政策部長より答弁させます。

次に、新庁舎の省エネについてのお尋ねです。

新庁舎は、太陽光発電、自然採光、自然通風、壁面緑化、高断熱ガラス等、優れた環境性能を有しています。業務開始から一年間の実積を踏まえて契約電力を見直したので電気料金の節約が見直されますが、今後は公会堂と一体的に新電力、PPSを活用することを検討しておりますので、その際には渋谷区環境基本計画二〇一八を踏まえて、環境負担軽減の視点から、再生可能エネルギーの導入も含めて検討していきたいと思います。



環境政策部長

 私からは、プラスチックごみ問題に係る御質問にお答えをさせていただきます。

初めに、天然芝生化の現在の状況、環境にいい人工芝、人工芝流出抑制機器の導入についてお答えいたします。

区ではこれまで、維持管理の容易さなどから、学校の校庭や公園に人工芝を取り入れてきましたが、既存の人工芝はプラスチック製品であり、その破片が排水溝を通じて河川、海洋に流出する可能性が考えられます。

また、学校の校庭の人工芝が子どもの衣類や靴につき、取り除かれないまま校外に出れば、適正に処理されないプラスチックごみと同じになります。

そのため、渋谷区環境基本計画二〇一八においても、天然芝生化の推進を掲げておりますが、区立小学校や公園の敷地を利用した天然芝生化を推進することで、スポーツ活動の中で緑を育む機会を増やすとともに、プラスチック問題への対応を図っていきたいと考えます。

天然芝生化の現在の状況についてですが、学校では、長谷戸小学校、鳩森小学校の二校、公園では、参宮橋公園、恵比寿東公園、富ヶ谷三本杉公園、本町学園みどりの丘、幡ヶ谷ひだまり公園、本町ひがし公園、本町一丁目児童遊園地、笹塚一丁目児童遊園地の八か所まで整備され、着実に推進しております。

今後も、渋谷区環境基本計画の実現に向け各関係部署と連携し、天然芝生化を推進してまいりたいと思いますが、議員御発言の環境にいい人工芝が環境、性能、耐性面に問題なく、維持管理がしやすいものであれば、今後整備するときの選択肢の一つになるものと考えております。

人工芝の流出抑制機器の導入についてですが、現在、教育委員会及び民間事業者と連携し、学校の人工芝の流出問題解決に向けた検証を始めたところです。

今後の予定ですが、七月から一定期間、学校の排水溝に機器を設置し、実際にどれぐらいの人工芝の破片が流出しているかを把握することとしております。

人工芝の流出状況を確認し、人工芝の流出抑制機器の導入について検討していきたいと考えております。

さらには、人工芝の破片を排水溝で回収したものを製品として再資源化ができるようなシステムにできないか、調査研究もしてまいりたいと考えてございます。

次に、庁舎内の自動販売機のペットボトル販売についてお答えいたします。

昨年度より、自動販売機を設置している団体と、単なる缶製品等への変更だけでなく、マイボトルやマイカップへの対応、あるいは従来の石油原料のものではない環境に優しい植物性由来のペットボトル導入等、多角的視点で意見交換をしております。

既に区長室にては、お客様にお出しする飲物についてはペットボトルを利用していない飲物をお出ししていますが、今後も引き続きプラスチック削減に効果的な手法を検討してまいります。

次に、プラスチック製容器包装の分別収集への取組についてお答えいたします。

これまで本区においては、ペットボトルと食品用トレー以外の容器包装プラスチックについて、複合素材のものが多く再資源化しにくいという技術的な課題があること、また、再資源化のために膨大な費用とエネルギーを要することから、その処理にはサーマルリサイクルによる熱利用を行ってまいりました。

しかし、これからの区の環境を考えると、地球に優しい脱炭素社会を築いていくことが必要であり、また、ごみを出さない永続的な循環型社会へ移行する必要がございます。

そのために、今年度、容器包装だけでなく廃プラスチック類の完全再資源化に向けた調査を行います。

内容でございますが、区内で排出されるプラスチック類の種類や量、収集、運搬方法や処理方法などを調査するとともに、来年度からの分別収集の実施に向けた計画を策定する予定でございます。

なお、この調査につきましては、議員御発言にありました東京都のプラ製容器包装・再資源化支援事業を活用する予定でございます。


図書館について

 埼玉県飯能市図書館は、スマートフォンアプリのLINEを利用して所蔵書籍の検索や貸し出し予約などができる図書サービス「図書チャットボット」の実証実験を開始しました。区では、今年4月からLINEにて住民票等の申請が行えるようになったように、LINEとは様々ところで連携をして行政サービスの効率化を図ってきています。このような経緯からも、図書館のサービス向上のためにこのシステムの導入を検討していくべきかと考えますが、いかがでしょうか。

教育長の答弁を求めます。



 渋谷電子図書館が現在試行段階にあります。区民の方の図書館利用登録数は、現在約4万7000人で、電子図書館の利用登録者数は約4700人となっています。今回の新型コロナウイルス感染症で図書館も閉鎖となり、多くの方から図書館の再開が求められておりましたが、今後の対応としても、電子図書館の利用推進を行っていくべきかと考えますがいかがでしょうか。教育長の答弁を求めます。



 併せて、新型コロナウイルス感染症の対応として、予約した書籍を郵送で貸し出しをしている自治体がありますが、これについてはいかがでしょうか。教育長の答弁を求めます。



 また、区内図書館には、多くの外国書籍や、外国の児童図書があります。しかしながら、図書館には区役所窓口のようにタブレットを使用した通訳システムは導入されていません。日本図書館協会が掲げる『公立図書館の任務と目標』には、「住民は誰でも無料で」利用でき「すべての住民の知る自由の拡大に努め」とあります。渋谷は多くの外国の方や子どもたちが暮らしています。そのような観点からも、サービス向上のためにタブレットを使用した通訳システム導入や最近では、安価ですが性能の優れている翻訳機があります。それらの機器導入をおこなうべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。



 そして、委員会でも他会派の議員から質問が出ていましたが、区内には多くの大学があり、その大学とS-SAP協定を結んでいます。そうした、大学の図書館館と連携して頂き、区民の方が手にしたい、読みたいものが、簡単に探せて手元に届くシステムの構築をお願いしたいと考えますが、区長の答弁を求めます。



区長

図書館に外国の方や子どもたちへのサービス向上のために、翻訳機器等の導入を行うべきとのお尋ねです。

外国人利用者及び外国語図書の多い中央図書館には、英語での対応可能なスタッフを配置しています。また、区の図書館ホームページでは、英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語の対応もしています。

現在は、多言語に対応した簡易的な翻訳機等も開発されていることから、このような機械の導入は、利用者の要望等、今後の状況を見ながら検討してまいります。

次に、大学図書館と連携し、区民が手にしたい読み物を簡単に探せて手元に届くシステムの構築についてのお尋ねです。

現在の取組として、大学図書館に収蔵されている図書については、区の図書館ホームページで検索することが可能であり、御希望があれば紹介状を作成、本人に交付して閲覧できる仕組みを構築しております。

また、図書館に所蔵がない図書につきましては、所蔵している大学図書館に貸出依頼をして、大学が許可した図書を貸し出すサービスも行っております。

本区は、渋谷ハチコウ大学やS-SAP協定で区内各大学と連携体制があることから、今後は区内大学図書館の利用についても充実できるよう進めてまいります。



教育長

まず、LINEシステムの図書館サービスへの導入についてですが、本区では議員御指摘のとおり、LINEと連携した様々な行政サービスの効率化を図っています。現在、本区の図書館サービスでは、パソコンはもちろん、スマートフォンにおいても検索、予約が可能なシステムを運用しています。

LINEシステムの導入においては、今後、予定している図書館システムの更新に当たり、様々な先進事例を参考にして、より利用しやすい環境やサービスの検討を進めてまいります。

次に、電子図書館の推進、また予約した書籍の郵送での貸出しについてのお尋ねですが、一括してお答えします。

電子図書館は、現在試行段階であり、貸出しも一人一点となっていますが、臨時休館中においても運用を行いました。

今後は、電子図書館の利便性を広く周知し、貸出し点数を増やすなどの段階を踏んで利用促進を行ってまいります。

また、予約した書籍の郵送貸出しですが、他の自治体の先行事例を参考にしながら、今後の研究課題とさせていただき、感染防止に十分注意しつつ、カウンターでの貸出しで対応してまいります。


ハラール食について

 渋谷区には多くの外国の方が暮らしており、多様な文化や宗教が混ざり合って街が形成されています。ここで、ハラール食について質問します。まず、学校給食についてです。イスラム教徒では、戒律で豚肉が食べられません。文部科学省は、アレルギー対策のため、事例の共有や配膳方法などの具体策を示した指針を2015年に作成しました。アレルギーの原因食物が誤って混入するリスクを減らすため、「提供する」か「完全除去」の二者択一を完全原則としています。一方で、宗教食への国の対応指針はありません。

 三重県四日市市は、独自に宗教食への対応マニュアル策定に向けて動き出しました。市内の私立保育園に通うムスリムの女児が給食で豚肉除去に対応してもらえず、退園を余儀なくされためでした。

 静岡県静岡市では、2020年度、イスラム教徒ら宗教上の理由で特定の食材を食べられない児童・生徒に配慮した学校給食の提供の試行をはじめました。これまでイスラム教徒の子どもたちは、給食の献立から飲食可能な料理だけを食べたり、家庭から「ハラール弁当」を持参したりしていました。静岡ムスリム協会によると、ムスリムの保護者たちは長年、食事の違いによるいじめへの不安や、弁当を毎日手作りする負担、給食費と弁当食材費との二重の経済的な負担などを感じてきたといいます。これらを踏まえ、区内幼稚園、保育園、小中学校におけるにおける宗教食への対応の現状および今後の対応構想を御示し下さい。



 また、来街者のためにハラール食対応店の一覧等を渋谷区のホームページに掲載するのはいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。



区長

次に、ハラール食についてのお尋ねです。
ハラール食対応店の紹介については、既に民間のアプリやウェブサイトがありますので、現時点での区のホームページへの掲載は考えておりませんが、本区では多様な方々に渋谷の食を楽しんでもらうため、区商店街連合会との連携を通じ、飲食店のハラール食及び多言語化対応を充実させる取組を継続していきます。



教育長

最後に、渋谷区における宗教食への対応の現状及び今後の構想についてのお尋ねです。

宗教上の理由により特定の食材を食べられない児童・生徒に対しては、除去食や弁当対応を行っているところです。今後も、全ての児童・生徒が給食時間を安全に、かつ楽しく過ごすには、安全性を最優先にした学校給食が大切です。

教育委員会といたしましては、献立の中で児童・生徒一人一人の状況を鑑みた対応を行うとともに、安全な給食提供を継続してまいります。